たかべーの書庫

ラノベの読書記録。

2010年のライトノベルまとめ

ぼくのかんがえたさいきょうのらいとのべるりすと2010です。

前半の記録がないので、2010年に何冊読んだかはわかりませんが、全部で300冊強、2010年刊行の作品に限れば200冊前後ではないかと思います。
最初はベスト10形式にしようかと思っていましたが、よく考えてみればわざわざ数を制限しても誰も得しない気がしたので数制限は取っ払いました。書きたいだけ書きます。
2010年新規作品が多めで、逆に既存のメジャー作品は結構抜けてたります。
トップ以外明確な順位付けにはなってませんが、一応は上にいくほどお気に入り度が高めです。

2010年刊行作品

中里 十「君が僕を」シリーズ (ガガガ文庫)


2010年のベスト。作者の中里さんによると中二病パワー炸裂百合小説ということですが、炸裂されたのは読んでいる私自身の中二病でした。ヒロインの真名は普通とは変わった思考をする(こんな表現使うと殺されそうだけど)女の子ですが、完全に対話不能ではなくぎりぎりコミュニケーションが成立するかどうかの境界にいるので、「どうしてこういう会話が出来るの!? わかんない! すごい!!」と読んでいる私大興奮。そんな百合ラノベの皮をかぶったすごい何かでした。

朝田 雅康「二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない」 (集英社スーパーダッシュ文庫)


新人作品のなかで一番のお気に入り。最初はクラスメイト35人の名前が伏せられており、読み進めながら解き明かしていくというパズル要素を持った実験的な作品です。ただし、それを差し引いても35人にキャラクター付けして群像劇させる作風は私の大好物でとても楽しみながら読めました。そして35人描き分けた絵師さんもすごい。惜しむらくは活躍が多くなかった登場人物もいたことで、続刊がでることに期待してます。

鳥村 居子「雑魚神様」 (メガミ文庫)


もっと評価されるべき部門。人間に絶望しかけてる神様であるおまがり様と従者の八咫烏の絆の描写が心にじんと来ました。新人作品なので、まだ荒削りな部分も見受けられましたが、一番の懸念はどうして絶対的に知名度が低そうなメガミ文庫から出てしまったのか。鳥村さんの新作を読みたいのでこれからもメガミ文庫にはがんばってほしいところです。

山田 有「スノウピー」シリーズ (富士見ファンタジア文庫)


読書メーターの感想書いたときに言いたいこと言ってたので転用。

なんだこれ。鈍感でジョークがつまらなくてテンポが悪くて一言多くてさらに運も悪いという残念さではそこらの主人公の追随を許さない主人公なのに、スノウピーや可香谷さんは普通に可愛くて、ストーリーはまっとうで読みやすい。だけど迷作という印象を拭いきれない不思議ファンタジー。目が離せない。

壱日千次「社会的には死んでも君を!」 (MF文庫J)


パッと見ハーレムラブコメですが、主人公とメインヒロインはラブラブなのに人間と幽霊では触れ合えないというある意味結ばれない恋の話に涙腺が緩んでしまいました。2010年のMF文庫J新人のなかで一番好きです。

林 トモアキ「ミスマルカ興国物語」シリーズ (角川スニーカー文庫)


ここまで広げた風呂敷をひっくり返すような展開で第一部完!となった7巻。これからの展開に目が離せません。

至道 流星「羽月莉音の帝国」シリーズ (ガガガ文庫)


最終目標は建国、そして世界革命というラノベは探せば他にもあるかもしれませんが、それを異能・超常現象なしの現代世界でというのは早々ないでしょう。この作者にしか書けないと思わせてくれるスケールを持ったオンリーワンの作品です。

朱門 優「アネモイ」シリーズ (一迅社文庫)


不思議少女アネモイとの会話を読むのが楽しいラノベです。どこかずれた不思議少女との会話のキャッチボールは大好物です。

大樹 連司「星灼のイサナトリ」 (一迅社文庫)


もっと評価されるべき部門。遠未来の異星で巨大なイサナと戦うモンハン風味のファンタジー。主人公の成長、バトルの熱さ、ヒロインの可愛さを合わせ持った作品でした。……でした。作者の大樹さんによると現状では続刊未定、というか打ち切りらしいです。一迅社め!

間宮 夏生「月光」 (電撃文庫)


今年の電撃新人のなかでは一番好きです。最後までどういう結末を向かえるかわからないようなミステリアスな雰囲気をもったヒロインが魅力的でした。

比嘉智康神明解ろーどぐらす」シリーズ (MF文庫J)


同作者のギャルゴが素晴らしかったので期待して読んだ新シリーズ。2巻までは日常系の皮をかぶっていましてそれはそれで良かったのですが、3巻でその皮がはがれてきてヒャッホゥ!

夏海 公司なれる!SE」シリーズ (電撃文庫)


ネットワークの技術用語に関してはあまりわかりませんでしたが、それでも嘘かまことかIT業界の雰囲気が味わえて楽しめました。

十文字 青「絶望同盟」 (一迅社文庫)


十文字青部門。第九シリーズのなかで一番好きです。そしてイラストも素晴らしい。

鴨志田 一「さくら荘のペットな彼女」シリーズ (電撃文庫)


ニヤニヤできるラブコメ。いわゆる凡人と天才の差に悩まされつつも成長してる主人公にも好感が持てました。

アサウラベン・トー」シリーズ (集英社スーパーダッシュ文庫)


半額弁当バトルと笑いの渦に叩き込まれました。これはすごかった。

滝川 廉治「テルミー きみがやろうとしている事は」 (集英社スーパーダッシュ文庫)


冒頭でノックアウトされました。ぜひ最後まで書ききってほしいんですけど、続刊の兆しが見えないのに不安が。

伊藤 ヒロ「アンチ・マジカル 〜魔法少女禁止法〜」 (一迅社文庫)


劇薬部門。元ネタになったウォッチメン魔法少女もほとんど知りませんでしたが、すごかった。かなりブラック。どう見ても次巻に続くような引きで終わっているのですが、早く出ることに期待してます。

樺 薫「ぐいぐいジョーはもういない」 (講談社BOX)


百合部門。2010年ベストの「君が僕を」が百合の皮をかぶった何かなら、ぐいぐいジョーは野球小説の皮をかぶった百合小説です。百合好きなら読んで損はないです。

庵田 定夏「ココロコネクト」シリーズ (ファミ通文庫)


ファミ通文庫の新人勢のなかではこの作品が一番面白く読めました。

犬村 小六「とある飛空士への恋歌」シリーズ (ガガガ文庫)


個人的なシリーズベストは3巻でしたが、4巻も水準以上の出来だったので、最終巻である5巻への期待で胸がいっぱいです。

川岸 殴魚「邪神大沼」シリーズ (ガガガ文庫)


読んだあとには何も残らないというラノベっぷりを発揮しながら、ラブ成分を空の彼方にかっ飛ばしてギャグに全力で命かけてるような作風がすごく好きです。

白川 敏行「はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ」 (集英社スーパーダッシュ文庫)


これからに期待部門。異世界学園ファンタジー。キャラや設定が結構好みなので早く2巻が読みたいです。

田尾 典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」シリーズ (ファミ通文庫)


タイトルから連想するイメージとは裏腹に本編はかなりシリアスなのですが、番外編ではいちゃラブ成分を存分に補給できました。

橋本 和也「世界平和は一家団欒のあとに」シリーズ (電撃文庫)


祝・完結部門。個人的なシリーズベストは3巻でしたが、無事に完結して、追いかけてきた甲斐がありました。

田口 仙年堂「魔王城」シリーズ(ファミ通文庫


祝・完結部門。エピローグでニヤニヤできるラノベってなかなか読めないので楽しめました。

静川 龍宗「うちのメイドは不定形」(スマッシュ文庫


メイドさんスマッシュ文庫部門。テケリさん可愛いよテケリさん。いあ! いあ!

田口 一「この中に1人、妹がいる!」 (MF文庫J)


MF文庫Jの集大成というとさすがに言い過ぎかもしれませんが、MFから連想するようなラブコメエロコメ成分を詰め込んだ作品です。

2009年以前の刊行作品

2010年の本ではないけど、今年読んでとても面白かったものです。

向坂 氷緒「384,403km―あなたを月にさらったら」 (ティアラ文庫)


素晴らしい百合ラノベだという話を聞いて購入。優等生を演じてるけど実はドジッ娘の主人公が可愛くてもう最高でした。

佐々原 史緒「暴風ガールズファイト」シリーズ (ファミ通文庫)


以前から気にはなっていたのですがなかなか手に取る機会がなかった作品。ラクロスを題材にしたスポ根モノなのですが、これが超面白かったです。

ライトノベル以外の作品

ラノベじゃないけど面白かったものです。

森田 季節「不動カリンは一切動ぜず」 (ハヤカワ文庫JA)


ディストピア未来SFだと思って読んでいたら不動明王バトル風味百合小説だった。な…何を言ってるのかわからねーと思うが、森田季節さんの可能性を感じさせてくれた一冊でした。デビュー作の「ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート」みたいなのがまた読めることを期待してます。

ジャクリーン・ケアリー「クシエル」シリーズ (ハヤカワ文庫FT)


権謀術数が渦巻く宮廷陰謀劇。主人公の少女フェードルはベッドの中でもがんばる子なので、エロ可愛さでも楽しめました。ハヤカワ文庫は私みたいなラノベ読みを釣るためにもっとこういう表紙増やさないかなぁ。


ここまで。
今年も素晴らしいラノベに出逢えることを期待してます。