2019年に読んだライトノベルまとめ
2019年に読んだ小説は283冊でした。前年割れは防げたので2020年は300冊目指したいと思います。
例年の通り読んだ中で良かったものを挙げていきたいと思います。
2019年に読んだものなので、2018年以前の刊行作品もあります。明確な順位付けはありませんが上にあるほうが気持ちお気に入り度が高めです。
数の制限は考えずに選んだら、2019年は17選(シリーズ)になりました。
よろしくお願いします。
2019年17選
渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 12~14」(ガガガ文庫)
積んでた12巻から一気読みしましたが結果的に正解でした。
問題を斜め下の方法で解決する展開もここまで来たか。たった一言が言えずに遠回りする彼彼女らのその不器用さが愛おしいです。終わるのが寂しくなりながらページを捲り、終盤では、こいつらっ、こいつらってごろごろ転がりながら読んでました。これが2019年の最高傑作です。
短編集はよ。ちなみに私は雪ノ下さんちにご飯お呼ばれする話が読みたいです。
赤木一広「無双系女騎士、なのでくっころは無い」(GAノベル)
2018年刊行でしたが、イチオシしているレビューを見たので読みました。
謀略で窮地に陥った王子が一騎当千の二人の見習い女騎士に助けられて始まる物語。王子が二人に振り回されるのかと思ったら、朱に交われば赤くなり、死にかけながら千倍の敵に切り込んでいくバトルファンタジー。戦場を駆けるその姿は一騎当千悪鬼羅刹。戦闘描写は近年読んだ中でも屈指で、読んでいてとても楽しかったです。2018年に読んでたら2018年のベストラノベにしていたかもしれません。
特に王子が可愛いんですよ。この物語は強い王子と強い女騎士と超強い女騎士二人が出てくるんですが、強い王子と強い女騎士の実力は同じくらいで、砦を攻めるのに女騎士が出来た壁の蹴り登りが出来なかった王子はすごい悔しがるんですよ。お可愛いこと……!
こんなにも面白い物語を打ち切ったGAノベルは無能過ぎるのではと悲しみに暮れました。そして私は発売日に買ってなかった無能読者です。
Web版で完結してくれた作者さんありがとうございました!
伊藤ヒロ「異世界誕生 2006/2007」(講談社ラノベ文庫)
なろう転生系前夜の2006年、トラックにはねられて死んだ息子が遺した異世界転生のプロットで小説を書く母親と、壊れてしまった家族の物語。過去は変えられないし褒められるものでもないけれど救いのあるラストが心に来ました。個人的には伊藤ヒロ作品では魔法少女禁止法以来のクリーンヒットです。
続編の2007は、2006からどう続けるのか不安でしたが杞憂でした。2006が作者の物語なら2007は読者の物語で、時系列も勿論後ろなんですが、ここから2006に繋がってるのか!って展開がとてもよかったです。
汀こるもの「五位鷺の姫君、うるはしき男どもに憂ひたまふ 平安ロマンチカ」(メディアワークス文庫)
こういう本が出てくるからライトノベルはやめられない。(ただしMW文庫なのでライトノベルかどうかは人による)
平安仏教の限界に気づいた尼さんが菩薩になるため功徳を積み、現代語で世相をぶった切る現代平安絵巻。異能無き魔法で平安京を支配する陰陽師と遣唐使無き時代にインドを目指す鬼畜坊主との地獄三角関係。ジェンダーを明後日の方向にぶん投げたら地球一周して後頭部にぶち当たったみたいな読感でちょー面白かったです。
わるいおとこ「俺の現実は恋愛ゲーム?? ~かと思ったら命がけのゲームだった~」(ファミ通文庫)
レーベル消滅に巻き込まれて打ち切りになった傑作の復活。
現実のようなゲームに放り込まれた主人公がヒロインに関わる謎を暴いて攻略していきます。何と言ってもメインヒロイン兼たぶんラスボスが可愛すぎます。Web版だとこれからもっと可愛くなるしね。はぁー雑に人生とか弄ばれたい。
一度打ち切られた作品がもう一度打ち切られるなんて悲しいことにならないようにほんとに頼みますよファミ通文庫。これが売れなかったらレーベル畳むくらいの気持ちで売ってほしいです。
ざっぽん「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 3~5」(角川スニーカー文庫)
私の中では現代最高のバカップルラノベの一角です。
呼吸するようにいちゃついておきながら本人達は控えめのつもりだったり、二人の間だけで流行っているコミュニケーションがあったり、はぁ~最高!
神が万民の闘争を奨励するような世界観の謎解きも結構好みなのですが、でもやっぱりいちゃついてるのを見るだけで心が幸せに包まれます。
刑部大輔「青春敗者ぼっち野郎、金髪尻軽ギャルのお気に入りになる 1~2」(角川スニーカー文庫)
私の中では真の仲間と並んで現代最高のバカップルラノベの一角です。
ぼっちがギャルに好かれて戸惑うラブコメ。ヒロインの距離の詰め方がアグレッシブでニヤニヤしてしまいます。
さらにすごいのが2巻で、ただの友達でも恋人でもない「ラブラブハグ友達」というパワーワードが強すぎます。1巻の3倍くらいはいちゃついてました。
すごく好きなシリーズなのですが、2巻の刊行からちょっと期間が空いていて不安です。無事に続き出てほしいです。
林トモアキ「ヒマワリ:unUtopial World 8」(角川スニーカー文庫)
私の人生で読んだ最高傑作のラノベの一つ、戦闘城塞マスラヲの続編の続編、の完結。
完全無欠のハッピーエンドではないけれど、家族も、故郷も、未来も失っても終わらなかったヒマワリの戦いはここで一旦終わります。そして物語はミスマルカへと続くのです。第3部まだかよ!?って気持ちで溢れるラストでした。
支援BIS「迷宮の王 1 ミノタウロスの咆哮」(レジェンドノベルス)
ほとんどのなろう小説は書籍化されてから読むのですが、これは書籍化前に読んでいた数少ないものの一つです。なろうで読んだときはすげーおもしれーなと思いましたが、もう一度読んでもやっぱり面白かったです。
迷宮に生まれ落ちた一匹のミノタウロスの闘いの軌跡。強敵に敬意を払い、ストイックに強さを求めていく姿勢がかっこよいのです。
三嶋与夢「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1~4」(GCノベルズ)
同作者のセブンスが面白かったので買ったらこれも面白かったです。
乙女ゲー世界のモブ(男)に転生して婚活がんばるけど女尊男卑世界でつらたん、みたいなお話です。乙女ゲーのヒーロー達と決闘するときなどに主人公の性根の悪さがにじみ出ててとてもよいです。
個人的には、この世界観で予想していた以上の、身分違いの恋と友情という王道的なテーマが読めてとても満足でした。
3巻で恋愛関係も一応決着付きましたが、以降も続いてくれて嬉しいです。
黒留ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1~2」(オーバーラップ文庫)
超能力を手に入れながらも平凡な日常しか送れなくて絶望した主人公が脱サラして、世界の闇とそれと戦う秘密結社総帥を兼任して、マッチポンプで世界を大いに盛り上げようとする話。読んでいて箱庭を作っていくような楽しさを感じられてとてもよかったです。 2巻になるとちょっとひねりを利かせてきますが根底のテーマは変わりません。俺が! 俺自身が! 超能力秘密結社だッ!
このシリーズが打ち切りとかおかしくないですか(半ギレ)
佐伯さん「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」(GA文庫)
これはいいものです。すごくいいものです。お隣さんとの距離が縮まっていくさまが微笑ましい、もといニヤニヤが止まりません。まだ1巻でこれからもまた縮まることを考えたら期待値爆上げです。
常磐くじら「エリスの聖杯」(GAノベル)
貧乏貴族の令嬢のところに十年前に処刑されたはずの悪役令嬢の幽霊が現れて復讐の手伝いをさせられ、そこから始まる宮廷陰謀劇。対抗する側も処刑の理由こそ冤罪なものの、実は善人とかではなくモノホンの悪役令嬢をやっていただけあって苛烈です。そして仄かな百合の香りだ!(私の百合センサーは女の子が二人いるだけで反応するガバガバさなので注意)
裕夢「千歳くんはラムネ瓶のなか」(ガガガ文庫)
陽キャガチ勢がスクールカーストなんかに振り回されてんじゃねーよとクラスの治安を守るお話。主人公が神呼ばわりされてるのである意味神ラノベですが、内容のほうも神ラノベ狙えると思います。ポスト友崎くんを狙えるポテンシャルあります。
小林さん「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん Disc1+2」(カドカワBOOKS)
乙女ゲーの登場人物に、ゲームを遊んでいる現実の人間の声が聞こえてくるラブコメ。ゲーム側で2組と現実側で1組のカップルが出来てて読んでいてにっこりです。
かわゆいのうかわゆいのうからの不穏な雰囲気からのまさかの展開には吹きました。2巻で綺麗にまとまったいい話でした。