たかべーの書庫

ラノベの読書記録。

2011年の読書まとめ

2011年に新しく読んだ小説は327冊。ラノベが320冊で、ラノベじゃないか怪しい本は7冊。ラノベのうち2011年発売の新刊は197冊、2010年以前のものは123冊でした。一応1日1冊くらいを目指していたのですが、全然届きませんでした。
2010年のまとめも10個とかに絞らなかったから、2011年も絞らなくていいよね。ということで30選+αです。
トップ以外明確な順位付けはしてませんが上のほうが気持ちお気に入りです。

2011年刊行作品30選

川原礫ソードアート・オンライン 7 マザーズ・ロザリオ」(電撃文庫


7巻絶剣編は2011年に読んだ最高傑作。かつてこの世界に降り立った最強の剣士、ユウキの物語を描き切った手腕には脱帽です。読みきった後はしばらく余韻に浸りきっていました。

比嘉智康神明解ろーどぐらす 5」(MF文庫J


祝・完結。前作ギャルゴ!!!!!がラブコメの皮をかぶってホラーをやっていたのと同様に、比嘉先生は今回もやってくれました。日常系ラブコメにホラーやサスペンスみたいな要素を取り入れる手腕は流石ですね。一生ついていきます。

赤井紅介「それがどうしたっ 3 人間が見つける、両手いっぱいの幸せ」(スーパーダッシュ文庫


祝・完結。タイトルはアッテンボローとは関係ないです。ポンコツ悪魔レムが主人公真尋の家にやってきてドタバタする1巻はまだ序の口。本領発揮は2巻、それまでさっぱり読めなかった幼馴染可憐の心の中が吐露されてからです。切なく思いあう幼馴染同士の描写にくらくらして、評価はだだ上がりで最後まで突っ走りました。

壱日千次「社会的には死んでも君を! 3」(MF文庫J


祝・完結。ハーレムラブコメの皮をかぶった純愛物で悲恋物。主人公八平とメインヒロイン香月はラブラブなのに、人間と幽霊では触れ合えないというある意味結ばれない恋の話にところどころ涙腺が緩んでしまいました。彼らの未来に幸あれ。

櫂末高彰夢魔さっちゃん、お邪魔します。 3」(ファミ通文庫


祝・完結……じゃない、2011年ファミ通文庫をゆるさない大賞。色気のかけらもない夢魔のさっちゃんに協力して主人公尚史が夢世界と現実を駆け巡ります。尚史が覚醒してからの展開は燃えますし、他ではなかなか見られないアグレッシブ腹黒ヒロインを初めとした魅力的なヒロイン達が主人公を奪い合う展開は楽しめました。ま、し、た。物語の謎が見えてきてさあこれからというところで衝撃の打ち切り。ファミ通文庫暴風ガールズファイトの頃から変わっていないように思えて悲しくなりました。

長岡マキ子「中の下! ランク5. 上の下から旅立つオレ」(富士見ファンタジア文庫


祝・完結。カップル試験というイベントをネタに、ちゃんと恋愛して成長して葛藤して青春してるのが素晴らしいと思います。次回作にも期待です。

やのゆいわたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か?」(ファミ通文庫


ファミ通文庫の新人作品。男子の想像上の存在である妄想少女とコミュニケーションできるようになってしまった主人公あすみを中心としたドタバタラブコメ。あすみは幼馴染に恋心を抱いて右往左往していますがそれはおいといて、重要なのは妄想少女との友情百合大爆発! これだよ! あすみは早くリサか利沙を嫁にするべきです。

竹内佑「最弱の支配者、とか。」(ガガガ文庫


30年後に総統になって世界を支配するらしい主人公の下に、部下や殺し屋が未来からやってくるというストーリー。病んでるヒロインや頼りになる先生が魅力的なのですが、個人的に不思議だったのはこのお話、これからどうなるか展開は読めないのに超面白くなりそうという謎の期待感が生まれてくるのです。

高村透「理想の彼女のつくりかた 3 第三稿 彼女と僕のアラウンド」(電撃文庫


祝・完結……いや本当はもっと読んでいたかった! 人を選びまくるギャグセンスが私の波長と一致して何回笑ったことか。これから多数の女性キャラを攻略してく展開を期待してたのに……電撃文庫のばーかばーか!

村上凛おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!」(富士見ファンタジア文庫


隠れオタとギャルがお互いの恋を協力しあう、2011年トラウマ大賞。といってもこのラノベ自体がトラウマになるわけではなく、主人公のイタい行為の数々が読み手のトラウマを呼び起こしにくるのです。なんて恐ろしい。こんなにも心を抉る文章を書ける作者は天才か超能力者なんだと思います。

かじいたかし僕の妹は漢字が読める」(HJ文庫


「二十一世紀のみなさまへ」から始まる未来に生きているラノベ。漢字が廃止され萌え文化に支配された23世紀をネタに、この作者にしか書けないような残念っぷりが滲み出てるのでHJ文庫の未来も安泰ですね。

白鳥士郎のうりん」(GA文庫


作者は病気シリーズ。これでもかといわんばかりのギャクネタパロネタ時事ネタを放り込んだまさに旬のラノベ。何回笑わされたことかわかりません。

海羽超史郎STEINS;GATEシュタインズゲート― 連鎖円環のウロボロス」(富士見ドラゴンブック)


原作ゲームとは若干の差異を混ぜつつ、小説の媒体ならではの面白さが維持されていました。欲を言えば海羽さんのオリジナルもまた読みたいんですけどね。エル・プサイ・コンガリィ。

虚淵玄Fate/Zero」(星海社文庫


Fate/stay nightの過去を描いたストーリー。stay nightの時点でどのような結末になったかはある程度示されているのですが、それを加味しても面白いストーリー展開と英雄たちの熱い闘いを楽しめました。特にウェイバー+ライダー組が最高でしたね。

淺沼広太「7秒後の酒多さんと、俺。4」(ファミ通文庫


表紙がこちら向いてないから素晴らしいという意見を見て購入を決めたシリーズ。7秒後の音が聞こえるという異能で苛められた過去を持つ主人公朗が高校で出会った仲間たちと織りなす青春小説。タイトルになっている酒多さんも勿論可愛いのですが、毒吐きキャラの縁がそれはもう可愛くて、まさに「7秒後の縁さんと、俺。」状態。最終巻ラスト50ページはひたすら身悶えしてました。

石川博品「クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門」(ファミ通文庫


全世界推定数千万人のネルリストを熱狂の渦に叩き込んだネルリから2年、石川博品は死んでいなかった! 独特な地の文がいつの間にか青春小説に変わっている手腕はまさに魔法。これからもさらなる活躍を期待したいです。

山田有「スノウピー 3 スノウピー、恋愛する」(富士見ファンタジア文庫


スノウピーは、独特の感性を持ったスノウピーとの会話を楽しみつつ、恋する乙女可香谷さんを愛でるシリーズです。今現在作者は別シリーズを始めてますが、スノウピーが打ち切りになったわけではなく単に続きが出ないだけです。ですよね!?

林トモアキミスマルカ興国物語 VIII」(角川スニーカー文庫


まさに衝撃のラストと形容すべき展開で終わった前巻から1年。気力を失ったマヒロがもう一度立ち上がるという林トモアキ的胸熱展開を堪能させていただきました。

健速「六畳間の侵略者!? 7.5 白銀の姫と青き騎士 第一章」(HJ文庫


今まで散々、タ■■■■プしてるんだろ? という伏線を張っておきながら、まるで回収する気配を見せなかったこのシリーズですが、やっとこの外伝で回収が始まりました。だから私にとっては外伝こそが本編です。真相が明らかになったのち、「幾百万の刻と、幾千万の道程の彼方から」という青騎士の台詞を思い返すと胸が熱くなりました。

至道流星羽月莉音の帝国 9」(ガガガ文庫


世界を革命するためにお金儲けを始めて9巻目。ついに世界経済を引っくり返しました。彼らの物語はどこに着地するのか、そもそも着地できるのか。最終巻である10巻が待ち遠しくして仕方ありません。

天羽伊吹清「シースルー!?」(電撃文庫


好きになった相手の衣服が一枚だけ透けてしまうという能力を身に付けてしまったことから始まるエロコメディ。91ページの時点で既に1冊読みきった満足感を得られたのですが、その後もバカップル描写を楽しませていただきました。個人的に2011年に読んだ中で一二を争うエロさだったので、次巻にも期待しています。

二丸修一「ギフテッド」(電撃文庫


巨大企業体、天子峰の幹部候補になるため一癖も二癖もある奴を集めて試験開始。暴力を含めたあらゆる手段を駆使して上を目指す頭脳戦に燃えました。このぶっ飛んだ設定でどこまで行けるか次巻が待ち遠しいです。

森橋ビンゴ東雲侑子は短編小説をあいしている」(ファミ通文庫


距離感が素晴らしい恋愛物。相手が何を考えているのかわからない不安感が伝わってきて良かったです。ちなみにこれを読む前に同作者のスニーカー文庫から出てるぼくこいを読んでおくとよりいっそう楽しめると思います。

伊都工平「犯人は夜須礼ありす」 (MF文庫J)


殺人犯のクラスメイトを拾ってしまったことから陰謀に巻き込まれていくお話。終盤の掌を返される感が素晴らしかったです。こういうMFの皮をかぶった何か的なラノベがもっと増えるといいですね。

鳥村居子「昼も夜も、両手に悪女」(ガガガ文庫


メガミ文庫から雑魚神様を出してた鳥村先生はしばらく音沙汰がないのを不安に思ってたのですが、ガガガ文庫から華麗に復活。記憶喪失の1週間の間に二人の悪女との間に何があったのかという謎にわくわくしながら読めてとても良かったです。綺麗に終わってるので続きは無理かと思いましたが、出るようで重畳重畳。

渡航やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(ガガガ文庫


はまち、あるいは俺ガイル。ぼっちをこじらせた主人公八幡が奉仕部に入って美少女とイチャイチャします。まる。お前もうリア充だろ! と叫びたくなりますが、非リア描写での読者の心の掴み方はとても巧いと思わされます。

神尾丈治「パンツブレイカー」(一迅社文庫


周囲のパンツを無差別に消失させる異能があったら、社会的には死ぬしかないよね。というお話。パンツを消し去るというバカな方面だけに目を向けずに、異能があるが故にまともな社会生活を送れず不遇の過去を送ってきた主人公が真面目に悩んでいるところに好感。1巻で完結してしまうには惜しいので続編も是非読みたいです。

支倉凍砂狼と香辛料 XVII Epilogue」(電撃文庫


祝・完結。ホロとロレンスのいちゃいちゃをひたすら楽しむシリーズもいよいよ終幕となりました。二人の幸せ描写に頬が緩むと共に、語られないところでこれからも続いていくであろう彼らの物語に思いを馳せました。

雪乃紗衣彩雲国物語 紫闇の玉座」(角川ビーンズ文庫


祝・完結。秀麗にはよくぞここまでがんばったと言いたいです。これまで登場したキャラのその後が示されていて感慨深い気持ちになれました。

三上延「偽りのドラグーン V」(電撃文庫


祝・完結。世間では同作者のビブリア古書堂の事件手帖のほうが遥かに有名ですが、こちらもそれに負けない面白さがあります。私のお気に入りのキャラであるアダマス君は、主人公に憎しみと殺意全開なのにいつも暗殺に失敗するかませキャラのかがみであり、男に恋心を抱く自分に戸惑ってる姿も可愛かったのですが、彼の活躍がもう見られないと思うと残念です。

2010年以前刊行のもの

去年刊行ではありませんが、去年読んでとても面白かったものです。

樋口司「ぴにおん!」(MF文庫J


数少ない男の超能力者である主人公ヨシローさんが同じく超能力者のヒロイン達に狙われるラブコメ。巻を重ねるごとに作者が巧くなっていくのが感じられてとても幸福な読書体験でした。一気読み推奨です。ナナさんはマジ天使。

横山忠「ねがいプラス!」(スーパーダッシュ文庫


ギャルゲーを元にリアルのヒロインを攻略するお話。煩悩まみれの主人公ですが、根っこはいい奴だと思ったので個人的な好感度は高かったです。この巻のヒロインである紅葉がとても可愛かったので、ハーレムルート行かずに個別ルート行けばいいのにと思ってましたが、それ以前に発売が延びに延び、ついに発売予定から消えてしまいました。そ、そんなぁ……。

東出祐一郎「ケモノガリ」(ガガガ文庫


悪人どもをばっさばっさとぶち殺す爽快バトルアクション。3巻では強敵との戦いが主になっちゃってますが、個人的には1巻のお前ら全員皆殺しだ感が素敵でした。

耳目口司丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ」(角川スニーカー文庫


一番好きな1巻は2010年の新人賞なのでこちらに。頭のおかしいやつらの頭のおかしい話を楽しめ、スニーカー文庫は結構な当たりを引いたなと思わされました。


湊ようこ「氷雪王の求婚 〜春にとけゆくものの名は〜」(コバルト文庫


350年後くらいの後世から見た視点で、冷酷無比と称される皇帝と、彼に嫁いだ地方貴族の娘の物語が綴られます。こういう未来から過去を語る形式は大好物。一冊完結な尺のためか氷雪王がデレるの早すぎて笑ってしまったのですが、基本的には切なくていい話でした。

ジャクリーン・ケアリー「クシエルの啓示」 (ハヤカワ文庫FT)


ドMの恩寵を背負ったフェードル30さいがこの世の地獄に赴く完結編。エロスに彩られた濃厚なファンタジーは圧巻の一言。続編であるイムリール編はいつ出るのでしょうか?


ここまで。
今年も素晴らしいラノベに出会えることを期待してます。